研究分野


 
研究目的
 量子効果と超強磁場の相乗効果で現れる磁場誘起量子相転移現象や新奇な量子状態の観測と発現機構の解明を研究目的とします。そのために広い周波数と磁場の観測窓を有する極低温高感度の分光(例えば,電子スピン共鳴(ESR))装置を開発します。これを用いて強相関電子系化合物や機能性材料,さらには化学・生物系研究部門と協力して分子性磁性体や種々のタンパク質の研究まで推進します。また,超強磁場と超高圧を組み合わせた分光装置を開発し,グリーンイノベーションや地球科学への展開を図ります。  

研究テーマ
  • 磁場で電気分極制御が可能なマルチフェロイック系や磁場誘起の量子相転移や量子液体状態を示す量子スピン系やフラストレート系の電子状態の解明
  • ユビキタス元素を用いたナノ材料の高感度磁気特性の研究と機構解明
  • 省電力デバイスなどへの応用が期待されるトポロジカル絶縁体の特異な励起状態の解明,大きな熱電変換を示すCo酸化物などの電子状態の解明
    (グリーンイノベーション)
 

ESR測定における世界一広い
磁場と周波数の観測可能域





 
研究目的
 複合極限環境(超強磁場・超高圧・極低温)下で現れる新奇な電子状態を実験的に観測し,その物性を解明することを目的とします。例えば,量子臨界点近傍に現れる物理現象の観測とその発現機構などが研究対象です。そのために,連携研究部門と協力して大型ワイドボアパルスマグネットを開発するとともに,複合極限環境下物性測定装置の改良および新規開発を行います。また,複合極限環境下磁気測定により,強相関電子系の新たな電子相の探索と基礎学理に貢献します。

研究テーマ
  • 複合極限環境(超強磁場・超高圧・極低温)下物性測定装置の改良および開発
  • 高温超伝導体や重い電子系超伝導体の上部臨界磁場,およびその超伝導発現機構の研究
  • 高温超伝導体, 重い電子系化合物やその他金属系試料のフェルミオロジーの研究
  • 強相関電子系物質における圧力誘起あるいは磁場誘起相転移現象(量子臨界現象)の研究
 

トンネルダイオード振動法による
鉄系超伝導体の上部臨界磁場(Hc2)の測定


 
研究目的
 分子性化合物の特異な磁性現象・量子現象の探索とその機構を解明します。 生命現象を担うタンパク質の構造ダイナミクスを高精度な計測により決定し,その働きの基盤を明らかにします。
 
研究テーマ
  • 分子性磁性体(ラジカル,金属錯体,単分子磁石)の強磁場物性
  • 分子性超伝導体の強磁場FFLO状態,磁場補償効果による磁場誘起超伝導の研究
  • 分子二量体型化合物によるスピン液体状態の臨界挙動とその強磁場物性
  • 金属タンパクの強磁場ESRと生理機能連関(金属結合タンパク質と金属イオン膜輸送タンパク質)の研究
  • スピンラベル(ラジカル標識)したタンパク質の強磁場ESRと生理機能連関(回転運動・配向角度・距離の精密測定)の研究
  • 光合成および光誘起ラジカルタンパク質の強磁場ESRと生理機能連関の研究
 






 
研究目的
 学内(理学研究科以外の兼任教員),学外(国内招へいや客員教員)あるいは海外(海外客員教員)の研究グループから構成され,研究の高度化と多様化を図ることを目的とします。また,物理系第一,物理系第二研究部門や化学・生物系研究部門において複合極限測定環境(超強磁場,超高圧,極低温)を作り出すための,技術支援や共同研究を行います。

研究テーマ  
  • 超高圧発生技術の供与及び共同研究(基礎工学研究科,国内招へい教員)
  • 極低温生成技術の供与及び共同研究(低温センター)
  • 大型ワイドボアパルスマグネットの共同開発,技術支援(国内招へい教員)
  • 多様な測定試料の提供(基礎工学研究科,工学研究科,国内招へいや国内外客員教員)
  • 実験結果の解析,理論構築(基礎工学研究科,国内招へい教員)
 





 
設置目的
 上記の研究部門において様々な研究を遂行する上で必要な装置開発(測定装置やパルスマグネット)を行い,そして共同利用や共同研究を進めるための事務的支援(共同利用者の出張申請など)を行う事を目的とします。

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